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【呪いの言葉】短編小説

time 2025/06/02

【呪いの言葉】短編小説

**第一章 消えない囁き**

「この言葉を口にした者は…七日以内に死ぬ」

深夜、大学の図書館で一人残業をしていた響は、古びた書物に記されたその一文を見つけた。紙は黄ばんでおり、インクはかすれている。しかし、不吉な雰囲気を帯びたその言葉は、まるで彼を引き込むように輝いていた。

「こんなの、ただの都市伝説だろ…」

響は笑いながら、無意識にその呪いの言葉を口にした。

その瞬間、図書館の電気が一斉に消えた。

耳を澄ますと、かすかな囁きが聞こえる。

「聞こえたか…?」

響は背筋を凍らせながら、辺りを見回したが、誰もいない。

しかし、その日から彼の周囲で異変が起こり始めた。

**第二章 最初の犠牲者**

翌日、親友の悠真が遺体で発見された。

状況は異常だった。彼の部屋には争った形跡はない。だが、顔には恐怖の色が刻まれ、まるで何かに怯えたまま息を引き取ったかのようだった。

「…呪いなんて、バカバカしい。でも…」

響はあの日の図書館での出来事を思い出し、嫌な予感に襲われる。

警察は原因不明の突然死として処理したが、響はひとつの事実に気付いていた。

悠真は昨夜、響と電話をしていた。そして、その電話の最後に響は、あの呪いの言葉をふざけて口にしていたのだ。

「もし…あれが本物なら…?」

恐怖が胸を締め付けた。

**第三章 呪いの連鎖**

数日後、さらに奇妙な事件が続く。

響が無意識に呪いの言葉を発した相手が、次々と不可解な死を遂げていった。

「なんなんだよ、これは…!」

響は焦りながら調べ始めた。

古い書物に記された「呪いの言葉」は、かつて封印された恐ろしい儀式の一部だった。そこにはこう書かれていた。

**「呪いの言葉を発した者は、七日以内に四人を死に至らしめ、その後、自らの命を絶つ」**

響の心臓が止まりそうになった。

彼がすでに呪いの言葉を伝えてしまった人数は、三人だった。

「あとひとり、死んだら…次は俺…?」

**第四章 最後の夜**

七日目の夜、響は部屋の隅で震えていた。

電気を消しても、闇の中で誰かの囁きが聞こえる。

「最後の犠牲者を…探せ…」

響は狂ったように叫び、部屋から飛び出した。

そんな彼の前に現れたのは、同じ大学の後輩・凛だった。

「響先輩、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ」

響は一瞬、考えた。

(凛に呪いの言葉を伝えれば…俺は助かる…)

しかし、彼はその考えを振り払った。

「俺は…呪いには負けない」

響は震えながら、自ら呪いの言葉を書物ごと燃やした。

その瞬間、彼の部屋から聞こえていた囁きは、ピタリと止んだ。

空気が変わる。

長い夜が終わった。

翌朝、響はどこかに導かれるように図書館へ向かった。そこには燃え残った書物が残っていた。

そこに書かれていたのは、新たな呪いの言葉だった。

**「呪いは決して消えない。忘れることで、また始まる」**

🔥👁‍🗨✨

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