2025/02/16

**第一章 消えない囁き**
「この言葉を口にした者は…七日以内に死ぬ」
深夜、大学の図書館で一人残業をしていた響は、古びた書物に記されたその一文を見つけた。紙は黄ばんでおり、インクはかすれている。しかし、不吉な雰囲気を帯びたその言葉は、まるで彼を引き込むように輝いていた。
「こんなの、ただの都市伝説だろ…」
響は笑いながら、無意識にその呪いの言葉を口にした。
その瞬間、図書館の電気が一斉に消えた。
耳を澄ますと、かすかな囁きが聞こえる。
「聞こえたか…?」
響は背筋を凍らせながら、辺りを見回したが、誰もいない。
しかし、その日から彼の周囲で異変が起こり始めた。
**第二章 最初の犠牲者**
翌日、親友の悠真が遺体で発見された。
状況は異常だった。彼の部屋には争った形跡はない。だが、顔には恐怖の色が刻まれ、まるで何かに怯えたまま息を引き取ったかのようだった。
「…呪いなんて、バカバカしい。でも…」
響はあの日の図書館での出来事を思い出し、嫌な予感に襲われる。
警察は原因不明の突然死として処理したが、響はひとつの事実に気付いていた。
悠真は昨夜、響と電話をしていた。そして、その電話の最後に響は、あの呪いの言葉をふざけて口にしていたのだ。
「もし…あれが本物なら…?」
恐怖が胸を締め付けた。
**第三章 呪いの連鎖**
数日後、さらに奇妙な事件が続く。
響が無意識に呪いの言葉を発した相手が、次々と不可解な死を遂げていった。
「なんなんだよ、これは…!」
響は焦りながら調べ始めた。
古い書物に記された「呪いの言葉」は、かつて封印された恐ろしい儀式の一部だった。そこにはこう書かれていた。
**「呪いの言葉を発した者は、七日以内に四人を死に至らしめ、その後、自らの命を絶つ」**
響の心臓が止まりそうになった。
彼がすでに呪いの言葉を伝えてしまった人数は、三人だった。
「あとひとり、死んだら…次は俺…?」
**第四章 最後の夜**
七日目の夜、響は部屋の隅で震えていた。
電気を消しても、闇の中で誰かの囁きが聞こえる。
「最後の犠牲者を…探せ…」
響は狂ったように叫び、部屋から飛び出した。
そんな彼の前に現れたのは、同じ大学の後輩・凛だった。
「響先輩、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ」
響は一瞬、考えた。
(凛に呪いの言葉を伝えれば…俺は助かる…)
しかし、彼はその考えを振り払った。
「俺は…呪いには負けない」
響は震えながら、自ら呪いの言葉を書物ごと燃やした。
その瞬間、彼の部屋から聞こえていた囁きは、ピタリと止んだ。
空気が変わる。
長い夜が終わった。
翌朝、響はどこかに導かれるように図書館へ向かった。そこには燃え残った書物が残っていた。
そこに書かれていたのは、新たな呪いの言葉だった。
**「呪いは決して消えない。忘れることで、また始まる」**
🔥👁🗨✨