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短編小説、ゲーム攻略

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【どんぐりの道しるべ】短編小説

time 2025/06/02

【どんぐりの道しるべ】短編小説

**第一章 はじまりのどんぐり**

幼い頃、紗季と悠斗は近所の森でよく遊んでいた。ふたりの秘密の遊び場は、小さな丘の上にあるどんぐりの木の下だった。

「このどんぐりを道しるべにしよう」

悠斗は拾ったどんぐりを並べて、小さな道を作った。紗季はそれを見て微笑みながら、自分もどんぐりを拾い、一緒に並べた。

「この道をたどれば、いつでもここに戻れるね」

幼い二人はそんな約束を交わしながら、どんぐりを並べては遊んだ。

**第二章 別れの予感**

時が経ち、高校生になった紗季と悠斗は、それぞれの道を歩き始める。悠斗はスポーツに夢中で忙しく、紗季は図書館で過ごすことが増えた。

「最近、悠斗と話してないな…」

紗季は寂しさを感じていたが、お互いに言葉を交わす機会が減っていく。ある日、悠斗が都会の大学に進学することを知った。

「私たち、もうあの森には行かないのかな…?」

紗季は問いかけたかったが、言葉にできず、ただ静かに時が過ぎていった。

**第三章 離れた時間**

悠斗が引っ越してから、紗季は一人で森を訪れた。どんぐりの木の下には、小さな道しるべのように並べられたどんぐりがまだ残っていた。

「あの頃に戻れたらいいのに…」

紗季はどんぐりを拾い、ポケットに入れた。しかし、現実は変わらず、悠斗とは連絡すら取らなくなっていく。

**第四章 再会のどんぐり**

数年後、紗季が地元の図書館で働いていたとき、一人の青年が訪れた。

「紗季?」

聞き覚えのある声。振り向くと、そこには変わらぬ笑顔の悠斗がいた。

「帰ってきたの?」

「うん。久しぶりにあの森に行ったら、どんぐりの道がまだ残っててさ。あれを見たら、紗季に会いたくなったんだ」

懐かしさと共に、心の奥に温かさが広がる。

**第五章 道しるべの先へ**

二人は再び森に向かった。どんぐりの木の下で、悠斗は紗季の手に小さなどんぐりをそっと握らせる。

「これ、覚えてる?」

懐かしい時間が、ふたりをゆっくりと包み込む。どんぐりは、ふたりを引き寄せる道しるべだった。

「もう離れないよ」

悠斗の言葉に、紗季は微笑んだ。どんぐりの道しるべが示したのは、再び交わる運命だった。

🍂✨

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