2025/02/16

**第五章:新たな夢**
コンクールが終わり、奏と美咲は控室で肩を並べて座っていた。
「本当に最高の演奏だったね。」美咲が微笑む。
「うん。今までで一番、心を込めて弾けた気がする。」奏は静かに答えた。
結果発表が始まり、司会者がマイクを握った。
「連弾部門、優勝は――**藤沢奏さんと橘美咲さん!**」
会場が歓声に包まれた。奏と美咲は驚きながらも、互いに顔を見合わせた。
「やった…!」美咲が嬉しそうに奏の手を握る。
「本当に…俺たち、やったんだな。」奏も感動を隠せなかった。
表彰式が終わり、二人は外へ出た。夜の街は静かで、遠くに見える東京タワーが輝いていた。
「奏くん、これからも一緒にピアノを弾いていこうね。」
「もちろん。」
奏は美咲の手をそっと握りしめた。
「俺、美咲とならどこまでも音楽を奏でていける気がする。」
美咲は微笑みながら頷いた。
「私もそう思う。」
二人の夢は、ここから始まるのだった。