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【祈りのロープウェイ】短編小説

time 2025/05/10

【祈りのロープウェイ】短編小説

**第一章:運命の乗車**
冬の澄んだ空気の中、遥(はるか)は静かにロープウェイの駅に立っていた。
ここは、長野県のとある山のロープウェイ乗り場。山頂には美しい神社があり、願い事をすると叶うと言われている。

「本当に叶うのかな……」
遥はポケットの中の小さな紙を握りしめた。それは、彼女が書いた願い事――**「もう一度、あの人に会えますように」**

ロープウェイの扉が開き、遥はゆっくりと乗り込んだ。すると、思いがけない人物が目の前にいた。

「……奏(かなで)?」

遥の目の前に立っていたのは、かつての恋人・奏だった。

**第二章:再会の祈り**
「遥……久しぶりだな。」
奏は驚いたような顔をしながらも、どこか懐かしそうに微笑んだ。

「どうしてここに……?」遥は戸惑いながら尋ねた。

「俺も、願い事をしに来たんだ。」奏は静かに答えた。「……お前にもう一度会えますように、って。」

遥は息をのんだ。まさか、同じ願いをしていたなんて――。

ロープウェイはゆっくりと山を登っていく。窓の外には、雪に覆われた美しい景色が広がっていた。しかし、遥の心はそれどころではなかった。

「奏……私たち、どうして別れちゃったんだろうね。」

奏はしばらく黙っていた。そして、静かに言った。
「お互いに忙しくなって、すれ違いが増えて……気づいたら、遠くなってた。」

遥は切なそうに微笑んだ。「でも、こうしてまた会えたね。」

奏は遥の手をそっと握った。「俺は、もう一度やり直したいと思ってる。」

**第三章:山頂の神社**
ロープウェイが山頂に到着し、二人は神社へ向かった。

「ここで願い事をすると、本当に叶うんだって。」遥は微笑みながら言った。

「じゃあ、もう一度お願いしようか。」奏は遥の隣に立ち、静かに手を合わせた。

**「もう一度、二人で歩いていけますように。」**

遥も同じ願いを心の中で唱えた。

雪が静かに降り始めた。まるで、二人の新しい始まりを祝福するかのように。

**第四章:帰りのロープウェイ**
帰りのロープウェイの中、奏は遥に言った。

「これからは、もうすれ違わないようにしよう。」

遥は微笑んだ。「うん、今度こそ。」

ロープウェイはゆっくりと山を下りていく。二人の心は、もう迷うことなく、同じ方向へと進んでいた。

**――祈りは、きっと届く。**

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